子供の不登校を「甘え」と考えている大人は多いのですが、実際に子供の気持ちになって考えてみてほしいと思います。
教育心理学的には、子供の不登校は「甘え」と考えられているそうです。
こうした不登校の子供には特徴があり、どの症状なのかを把握することが解決の第一歩になります。
塾講師をしていると、こうした不登校に悩んでいる親御さんから相談を受けることもあります。
子供が不登校になると焦って解決策を考えたり、教育を放棄する親御さんもおりますが、まずは落ち着いて対応してください。
単純に「甘え」と考えるのではなく、しっかりと子供の心理状態を理解してあげることが本当の意味での解決に繋がります。
実際に不登校にはどんなタイプがあるのかと、どのような対応をすべきかについて説明していきたいと思います。
不登校の甘えを解決する方法は一つではないので、まずは冷静にどういった悩みがあるかから考えてみましょう。
不登校になる子供の特徴と甘えの一言で解決してはいけない理由
不登校になる子供に対して、「甘えている」と一言で片づけてしまう親御さんがいます。
昔の精神論で生きている人に多いのですが、今は時代が変わっているので、こうした考えは危険だということを覚えておいてください。
なぜなら不登校になるのは理由があり、それが単純に「甘え」の一言で片づけることができないからです。
では、どんな理由や特徴があるのかを一つ一つ見ていきたいと思います。
人間関係(友人関係)から精神的に落ち込む子供はかなり多い
不登校の甘えで一番多いケースが、人間関係(友人関係)のトラブルになります。
昨今のニュースを見ても、子供同士のいじめは度を越しているケースが多く、昔では考えられないことも起こっています。
このタイプは、「問題を起こす子供」と「被害者になる子供」の2パターンがあります。
どちらのタイプかにもよりますが、学校で大きな問題があり一人で解決できなくなり不登校になる子供がほとんどです。
このケースは単純に「甘え」と考えるのではなく、学校側や周りの親御さんなどと一緒に根本から解決する必要がある問題です。
忍耐力がない子供は逃避癖がつきやすくなる
これはプライドが高い子供や、あまり親に怒られていない子供に多いケースになります。
物事に上手くいかなかったり、できないことが多いとストレスから不登校になってしまうのです。
忍耐がない子供については、親御さんが甘やかしていることが多いです。
こちらも簡単には解決できない問題ですが、コミュニケーションで親子の信頼関係を構築することが大事になります。
ただ頭ごなしに怒るのではなく、しっかりと理由を聞いて正してあげることが解決へと繋がります。
仮病を使うことが多くなる
こちらのケースは忍耐がない子供に近い症状で、嫌なことがあると仮病を使う癖があります。
嫌いな授業や習い事があると仮病を使い、それが終わるとケロッと元気になるのです。
このタイプは「甘え」が進行しているので、もし病気の症状を見せたとしても甘やかしてはいけません。
ただ無理に授業に参加させたりすると逆効果なので、何故そうなったのかを考えてみて下さい。
塾などを休む子供は、苦手な教科の時にこういった仮病を使う子供もいます。
嫌な先生がいたり、なにかトラウマになったことがあると、こうした症状になる子供もいるようです。
甘えではあるのですが、きちんと深層心理を理解してあげないと、より悪い症状になるので気をつけて下さい。
集団行動が苦手で無気力になる子供
学校行事などの集団行動が苦手な子供も、不登校になりやすい傾向があります。
上手く周りと合わせられないため、周りの行動を乱したり、全くやる気を見せないことが多いです。
これも甘えと考えられなくもないのですが、人間関係が関係していることが多いので、しっかりと理由を見つけて上げることが重要になります。
親だけではわかりにくい症状になるので、学校側などから指摘されて初めてわかる親御さんも多いです。
生活リズムができていない
夜遅くまで起きていたり、不規則な生活をしている子供も不登校になりやすいです。
夜型生活になると、朝起きられなくなるため学校に行くのが嫌になるのです。
これは甘えの部分が大きく、親がしっかりと生活管理をしてあげることで解決することができます。
もし子供に甘い態度をとっているのでしたら、少し強めの態度をすることで意識を変えていくことができます。
大人は甘えと考える傾向がありますが不登校になる子供を一括りで考えてはいけません
不登校になる子供の特徴と、それが甘えから来ることなのかについて説明しました。
大人からすると「甘え」と考えてしまいますが、未熟な子供は少しのことで道をそれてしまいます。
ですので不登校になることを「甘え」と考えず、一つ一つ課題をクリアしていくことに努めて下さい。
不登校になる子供は、ギリギリのところでずっと悩んでいる傾向があります。
どうしようもなくなった時に、最後の手段として不登校になるのです。
それを大人の考えで「甘え」と捉えるのではなく、きちんと解決するための努力をしてあげましょう。
不登校になってしまうと、なかなか学校へ行く気力が起きません。
特に不登校だから甘えていると言われると、どうしても反発したい気持ちが強くなります。
人の痛みを理解することが、不登校を解決する第一歩になることを覚えておいてください。
不登校の子供を甘えと考えて無理に学校に行かせる必要はありません
もう一つ覚えておいて欲しいことに、不登校の子供を無理に学校に行かせると逆効果になるということです。
不登校になる子供は、人間関係や勉強など様々な原因が複雑になって学校へ行きたくなくなるのです。
この根本の原因を「甘え」と考えて解決せずに学校に行っても、結局辛い思いをしてまた不登校になるだけです。
もし不登校になったり、その兆候があるのでしたら、まずは休息をとることも検討してみましょう。
本人の意思で学校に行きたいと思うまで、じっくりと休ませてあげるのも一つの方法です。
私自身も不登校になった子供の話を聞くと、解決することはかなり難しいと感じました。
ハッキリ言って「甘え」などと簡単な言葉で捉えてはいけないと思います。
もちろん親御さんとしては放っておけないでしょう。
ですが無理強いは一番悪い解決策になるので、学校の先生やカウンセラーの方と一緒に少しづつ解決する道を選んでください。
不登校になると勉強に遅れる不安がある
最後に不登校になって不安なことは、学校に行かないため勉強に遅れることです。
これに関しては、家庭教師やオンラインの通信教育を利用するのが一番良い方法だと思います。
もし学校が嫌なだけであれば、塾に通うという選択肢もあります。
昔あったのですが、どうしても好きになれない先生がいて不登校になったのですが、塾などは普通に来る子供がいました。
こうした考えを甘えと言わずに、学校側に伝えて根本から解決するなどの対策を取ったほうがいいと思います。
すこし話がそれましたが、勉強に関しては学校でなくても学習することはできます。
もし精神的に安定して、学校に行きたくなった時に学習についていけないと、また不登校になってしまう可能性が高いです。
学習だけは勉強した時間に比例するので、不登校でも必ず勉強するように努力しましょう。
今は不登校の子供に対して、丁寧にサポートしてくれるオンライン学習もあるので、そういったものを利用しても良いかもしれません。
簡単な問題ではありませんが、不登校を「甘え」で終わらせずに、きちんと子供と向き合って話し合ってください。